ユグドラシル

Youtubeに動画を投稿しています。主に家の庭や園芸で重要なテクニックについて話しています。

○一年草と多年草

園芸で重要なこととして、一年草多年草の考えがあります。まずは植物の一生について話します。朝顔を例にとって説明します。

朝顔は種をまくと、芽が出て双葉が出て本葉が出ます。そしてどんどんと大きくなって、やがて花を咲かせます。花が咲き終わると、実をつけて新しい種を残します。これが子孫になるのです。そして冬になると枯れて一生を終わります。

発芽→成長→開花→種を残す→枯れる

このようなサイクルを一年で完結するものが一年草です。通常は春に芽が出て、冬に枯れる植物が多いです。例外もありますが、今回は趣旨でないので除外します。

それに対して多年草は、冬枯れたあと、来年の春になるとまた新しく新芽が出ます。そして花を咲かせます。多年草は上記のサイクルを複数回繰り返しているとも言えます。

さて一年草は人生が一年しかありません。生きている間に子孫を残さないと生存競争には勝てません。なぜならば、一年草は一年しか生きることができないからです。したがって、一年草は花をたくさん咲かせる傾向が強いです。マリーゴールドが好例です。コスモスもたくさん花を咲かせます。したがって、花をたくさん見たいというときは一年草を選ぶと良いのです。

それに対して多年草は、数年以上生きます。一年草よりも寿命が長いのです。なので「まだ長い人生だし、そんなに無理して子供を残さなくてもいいよね。」って考えになります。したがって一年目は株を大きくすることに専念して、ちょっとしか花を咲かせないかもしれません。二年目になって、一年目よりも多く咲くこともあります。ほとんどの多年草は、咲いている時期(花期)が限られています。例えばスイセンは春頃に花を咲かせます。桔梗は初夏から夏くらいに咲きますし、萩は秋口から咲き始めます。いつ咲くかは種類によっても違いますし、地域や気候によってもズレがあります。少しずつ成長することを楽しみたい場合は、多年草が良いのですね。

多年草宿根草とも呼ばれることもあります。冬に茎や葉は枯れますが、根は残っているので、来年の春に新しく芽が出るのです。

したがって宿根草一年草みたいな性質を求めることはナンセンスです。たとえば「年がら年中花が咲いて、黙っても冬越しできて、楽できる植物ないですか?」。そんなものはないです。銀の弾丸はないのです。

それでは木はどっちに入るかというと、多年草に近いです。木と草の違いは、冬になると良くわかります。冬になると、木は幹を残しますが、草は全部枯れます。たとえばラベンダーやバラは木の一種です。多年草と同じく何年も生きますが、冬になると幹を残します。

積雪が多い地域において、雪が溜まる場所に植物を植えることを考えます。植える植物が草(多年草一年草)なら問題はないです。なぜならば草は冬に枯れるからです。しかし木の場合は一考を要します。なぜなら雪によって幹が折れたら大変なことになるからです。したがって、雪が積もる時は木を保護するなどの対策が必要になるのです。

木は草よりも寿命が長くて、成長はゆっくりです。もちろん例外もあります。したがって木を鉢植えで育てることは、案外難しくないです。木は乾燥にも比較的強いです。

それでは種で苗を作るとき、一年草多年草はどっちのほうが作りやすいでしょうか?それは一年草です。なぜなら一年草は人生が一年しかないので、株が大きくなるスピードも多年草に比べて早いからです。ネギや二十日大根のような野菜の種は、比較的育てやすいです。小学校の理科教材で、朝顔やひまわり、野菜のように一年草が多いのも、育てやすいことが一つの理由になっています。