ユグドラシル

Youtubeに動画を投稿しています。主に家の庭や園芸で重要なテクニックについて話しています。

○剪定について

剪定は敷居が高そうに見えますが、ある程度基本を抑えとけばそれほど難しくないです。また目的によって切り方は違うので、どのようにしたいかを意識する必要があります。特にバラのように枝が伸びやすい木はなおさらです。バラは花のイメージから草のイメージをするかもしれませんが、れっきとした木です。野ばらをイメージすると分かりやすいでしょう。

ここでは家の庭で、私ならどのように剪定するかについて述べます。もちろんやり方は、地域やライフスタイルによってもガラッと変わります。

 

剪定は大きく分けて、3つの基本があります。花がら摘み、切り戻し、透かしの3つです。

○花がら摘み

花がら摘みは、枯れそうになる花を摘むことです。目的の一つとしては新しい花を咲かせるがあります。花柄摘みは園芸の世界において基本中の基本です。花を放置しておくと種ができてしまいます。種を作るには相当のエネルギーが必要で、他の花を咲かせることがやりにくくなります。そこで子房ごと花を取ることによって、新しい花を咲かせるように促すのです。

とくに四季咲き性の植物に顕著です。バラや多くの一年草が該当します。もちろん最近の改良種では花がまるごと落ちてくれる植物もあります。カルフォルニアローズが好例です。その場合でも、衛生面において花がらを片付けたほうが賢明です。

あと花をそのままつけておく例外もあります。それは種を狙っているときです。この場合は、種を付けさせるために放置する流れとなります。

花がら摘みも語りだすとものすごく奥が深いので今回はここで止めます。ここでは「新しい花を咲かせるため」であることを頭の隅に止めておいてください。

 

○切り戻し

名前の通り切ることです。花柄摘みだけであると、枝がどんどん伸びてしまい形が悪くなったり、形が崩れて収支がつかない状態になる恐れがあります。そこで枝をバッサリ切ることにより、新しい枝を出すことを促し、また同時にコンパクトな株にすることを狙います。

ここで重要なキーワードは「頂芽優勢」です。この言葉は暗記してください。決して損はさせません。頂芽優勢とは、双子葉類において、株のてっぺんにエネルギーを優先的に流れるを意味します。つまり切り戻しをせずに植物を放置しておくと、縦にばかり伸びてしまい、横はいまいち伸びない結果となります。そのためある程度株が高くなったら、てっぺんを切ると良いのです。これを摘心(ピンチ)と言います。

ピンチもかなり重要な手段です。てっぺんを切ることにより、葉の近くから脇芽が出ます。脇芽の出る度合いは植物によって違いますが、とくにシソ科のハーブはいくらでも脇芽が出る傾向にあります。例としてはミント、レモンバーム、セージ、ラベンダー、ローズマリーなどたくさんあります。

脇芽が出ると、そこから伸びてまた新しい葉や花が出現します。そして脇芽がある程度伸びたら、また切ると新しい脇芽が出てさらに伸びます。そうすると、こんもりとした株を作ることが出来るのです。ピンチの応用はたくあんありますが、それは他の記事に譲ります。切り戻しはイメージしにくい要素があるので、動画を見ることをおすすめします。

他にもペチュニアのように、真夏に株をバッサリ切ることにより、株を休ませます。秋以降にきれいな花を咲かせる狙いもあります。

 

 

ペチュニア栽培の例は以下のサイト(sola og planta )が非常に詳しいです。

○ペチュニアなどの寄せ植え : sola og planta ハーブとお花のお庭日記

ペチュニア系の寄せ植え、ちょっと大きくなってきました。 : sola og planta ハーブとお花のお庭日記

ペチュニアの寄せ植え : sola og planta ハーブとお花のお庭日

○切り戻しのタイミング : sola og planta ハーバリストの作業小屋

 

元サイトはこちらです。「sola og planta」です。 函館で種や苗を販売しています。とくにハーブや宿根草に力を入れています。

http://solaogplanta.com

 

 

○透かし

これは名前の通り枝を「透かす」ことなんですが、目的としては株の形を整えるだけでなく、風通しをよくする効果もあります。透かしは余計な枝を根本から切り落とすことによって、株の見た目を良くしたり、風通しを良くすることにより蒸れを防止する役割もあります。

ではどのような枝を残して、どのような枝を切り落とすのでしょうか。これは様々な意見がありますが、ここでは基本的なものにとどめます。

まずは枯れ枝です。枯れた枝を残しておいても邪魔なだめです。根本から切り落としましょう。あと著しく弱々しい枝も成長を見込むのは難しいです。たくさん枝があるときは、優先的に切り落としましょう。これだけでもかなり剪定ができます。

植物というのは太い枝の方が、成長しやすいし、そのうえ大きくて美しい花を咲かせます。なので太い枝は重要です。これがましては新しく出た枝であれば、すごく大切にするべきです。バラではこの枝をシュートと呼びます。シュートが伸びすぎると、栄養がシュートばかりに偏るので、木立ちバラの場合、花が咲いたら半分くらいに切ったほうが良いです。株の高さによってはもう少し切っても良いかもしれません。

 

では太い枝がたくさんあったらどうするでしょう。これは悩みの種です。こういう場合は、邪魔になっている枝を優先的にきります。このような枝を盆栽の世界では「忌み枝」と言います。忌み枝についてはネットや本で調べれば山のように出てきますが、あまり鵜呑みにすると何もできなくなってしまいます。あとバラや鉢植えの木には当てはまらないこともあるので注意が必要です。邪魔になりそうな枝を優先的に切るくらいでいいです。

透かしの手順を図式化すると以下のようになります。

枯れ枝を切る → 明らかに弱々しい枝を切る → 邪魔になりそうな枝を切る。

 

○剪定の目的のまとめ

3つの剪定について述べましたが、大雑把に言うと剪定の目的は3つあることになります。二次的なものは含めないです。

 

1 新しく花を咲かせる。(他の花を咲かせるように促す)

2 形を整える(切り戻しや透かしによって樹形を整える)

3 株を休ませる(バッサリ切ることにより、株を休ませて秋や来年に備える)

 

 

○動画について


ユグドラシルチェンネルでは、切り戻しのついての動画4つあります。まどろっこしいの嫌いな方は「切り戻しの講義」は後から見たほうが良いかもしれません。下の「切り戻しについて」から見たほうが良いと考えています。

 


切り戻しについて 六月 玄関前の庭

 

 


切り戻しの講義 2019年8月5日


切り戻しの実例2

 


切り戻しの実例 8月